「一宮市立大志小学校」 校長 伊藤広恵先生 インタビュー

全教職員で全児童を見守り育てる「一宮市立大志小学校」

「名鉄一宮」駅、JR「尾張一宮」駅から東へ徒歩約10分の場所にある「一宮市立大志小学校」。全校の児童数が267名と一宮市の中でも小規模の小学校となり、のびのびした雰囲気がある学校だ。1903(明治36)年に「一宮市男子尋常小学校」として設立されたのが始まりで、歴史の古い学校でもある。今回は伊藤広恵校長先生に「一宮市立大志小学校」教育方針や活動、さらには地域の魅力についてお話を伺った。

校訓は“大志っ子 学ぶ 鍛える 思いやる”

外観
外観

――まず、学校の沿革から教えてください

伊藤先生:設立は古く、1903(明治36)年に「一宮市男子尋常小学校」として設立されたのが始まりです。その後、尋常女子部を合併するなど変遷し、「一宮市大志小学校」と改称されたのは1948(昭和23)年です。1971(昭和46)年頃の航空写真を見ると、当時は3つも校舎があり、とても大規模な学校だったようですが、現在は、267名と、市内の中でも小規模の小学校となっています。

――伝統校ならではの校風などあれば教えてください

授業の様子
授業の様子

伊藤先生:私はこの学校に赴任して1年目なのですが、優しい児童が本当に多いと思います。校訓が“大志っ子 学ぶ 鍛える 思いやる”というものなのですが、伝統的に相手の立場を考え思いやりのある行動をとる事ができる子が多いです。当校ではボランティア活動を大事にしていますが、毎朝校舎の周りの落ち葉掃きや校舎の掃除などを児童が自ら行うという活動が伝統的に続いています。そういった良い伝統がずっと続いてきていることが、この学校の良さなのではないかと考えています。

図書館
図書館

あまり校訓に“鍛える”という言葉を入れることは多くないと思いますが、私はこの部分がとても良いと思っています。「何か新しいことにチャレンジしてみようということを意味している」と子どもたちに伝えていますが、これは言い換えれば「チャレンジ精神を養おう」ということです。挑戦する心を持ち、自分自身を向上し、自己肯定感を養いたいと考えています。

七夕パレードを行う音楽隊

――特徴的な学校行事はありますか?

様々な行事に参加
様々な行事に参加

伊藤先生:音楽隊の活動が特徴的です。4年生以上の児童で鼓笛とブラスバンドを合わせた音楽隊を編成するのですが、特徴的なのは、上級生が下級生に楽器演奏を教えていくということです。楽器の指導をできる教員ばかりではないので、どうやって音楽隊が成り立つのだろうと思っていたのですが、児童同士が教え合い、それによって演奏ができるようになるので、とても驚きました。

毎年7月には、一宮市の有名な行事「七夕祭り」が「本町アーケード」で開催されるのですが、音楽隊はそこでパレードを行っています。地域の方に日ごろの成果を披露できることは、子どもたちにとって、とても励みになっています。

――グラウンドは緑の砂が敷かれているのですね

グリーンサンドが敷かれたグラウンド
グリーンサンドが敷かれたグラウンド

伊藤先生:このグラウンドは、雨水貯留施設にもなっています。最近ではゲリラ豪雨などが多くなり、校庭が水没してしまうというニュースをよく耳にすると思いますが、グラウンドの真下に排水施設があり一時的に雨水を蓄えることができるため、水が流れ出る危険が軽減します。地上には水はけのよいグリーンサンドが敷かれ、雨が降った後でも日を置かずにグラウンドを使うことができるので、行事や体育の授業などでもとても使いやすくなりました。

互いの個性を認めることができる優しさを育む

――「大志小のESD」、こちらについて聞かせてください

優しさの木
優しさの木

――生徒数が少ない学校ならではの良さを教えてください

伊藤先生:「ESD」とは「Education for Sustainable Development」のことで、持続可能な社会の実現に向けて行動する担い手を育むための教育を意味します。「人権教育」、「国際理解教育」、「環境教育」の3分野を「ESD」の柱として取り組んでいますが、平成28年度は、12月に人権集会を開き、全校で人権について考えました。集会の前には各クラスで“優しさの木”という掲示物を作り、友だちのいいところを見つけたら葉っぱに書き、木を茂らせました。「ESD」の基本は、みなが住みよい社会環境を作ることではないかと考えています。いじめが起こらない社会作りも大切です。人の良いところをたくさん見つけられる人間になること、互いの個性を認め合えることがこうった取り組みから芽生えたらいいなと思っております。

伊藤先生:職員全員が全児童のことを把握できるところだと思います。一人ひとりに目が行き届きやすいですし、小さな集団でアットホームな学校生活を送ることができます。お互いの事をよく見て、個性を認め合うということを大切にしていますが、児童同士も友だちと深く関わることが出来ているのではないかと思います。3月には卒業を控える6年生と、校長室で一緒に給食を食べるということも行いました。教員と児童がたわいのない話で盛り上がることができるのもよい事なのではないかと思います。

都会的な面と昔ながらの人情味の両方を併せ持つ一宮

児童から校長先生へのお手紙
児童から校長先生へのお手紙

――隣接校選択制についてお教えください

伊藤先生:一宮市が2008(平成20)年より行っているのですが、隣接している学区の小中学校(隣接小中学校)の中から1校を希望することができる「隣接校選択制」を実施しています。引っ越しやご家庭の事情、大規模校に行きたい、はたまた小規模校で過ごしたいなど、様々な選択肢の中から、学校を選ぶことのできる機会が与えられるのはいいことなのではないかと考えています。

児童の登下校を見守る青空隊のみなさん
児童の登下校を見守る青空隊のみなさん

――最後にこのエリアの魅力について教えてください

伊藤先生:一宮市は、JR東海道線、名鉄線など公共交通機関が発達し、様々な場所へのアクセスがいい場所です。駅前にはマンションなども多く建ち、転入者が多い地域でもあり、人の往来が多いのも活気があっていいと思います。その一方で駅前には商店街もあり、昔ながらの人のつながりも残っています。大志小にも登下校の時に見守ってくださる青空隊の方々が多くいらっしゃいますし、地域のお年寄りに学校へ来て頂いて昔ながらの遊びを教えてもらう会を開いたりもしています。都会的な一面もありながら、人情味がある下町風情が残るのがこの地域の良さなのではないでしょうか。

「一宮市立大志小学校」
「一宮市立大志小学校」

一宮市立大志小学校

校長 伊藤 広恵 先生
住所:愛知県一宮市大志2-7-6
電話番号:0586-28-8704
URL:http://www.school.city.ichinomiya.aichi.jp/~daisi-e/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。