地域ボランティアが活躍する楽しい児童館

子どもの遊び場、交流の場として温かく迎えてくれる「平洲児童館」

小中高生が遊んだり、乳幼児と保護者が一緒に遊んだりできる児童館が東海市には14館ある。荒尾町の「平洲児童館」には、屋外の広場や遊戯室、キッズルームなどが備えられており、幅広い年齢の子どもたちが利用している。子育て相談ができるほか、子どもの年齢別のプログラムや行事が開催されており、子どもたちの居場所となっているという「平洲児童館」のスタッフ(児童館厚生員)のみなさんに詳細をお伺いした。

「平洲児童館」
「平洲児童館」

遊んだり、おしゃべりしたり、気軽に利用できる子どもたちの遊び場所

――「平洲児童館」はどのような施設でしょうか? 設備や利用方法、地域における役割をご紹介ください。

近隣地域を対象として、児童に健全な遊びを与えることを目的に、1976(昭和51)年3月に設立された施設です。0歳から18歳以下の児童と乳幼児の保護者がご利用いただけます。

子どもたちが自由に遊べる「遊戯室」
子どもたちが自由に遊べる「遊戯室」

「平洲児童館」には遊具などで自由に遊べる遊戯室、絵本や本、マンガが読める図書室、乳幼児が安心して遊べるキッズルームなどがあります。キッズルームには授乳コーナーがあるので、小さなお子さんとも気軽に来館していただけます。

やさしい色調で統一された「キッズルーム」
やさしい色調で統一された「キッズルーム」

「キッズルーム」内の授乳スペース
「キッズルーム」内の授乳スペース

市内の児童館にはあまりない広々とした屋外の広場が「平洲児童館」にはあるので、思いきり体を動かすこともできます。乳幼児向けのプログラム、子育て相談も行っています。
来館したら登録カードに氏名、緊急連絡先などを記入すれば対象者はどなたでも利用いただけます。さまざまな年齢の子どもが利用するので、集団で活動するためのルールや生活習慣が身につくような指導もしています。地域の遊び場として提供し、子どもたちの居場所となるような施設です。

広々とした「屋外広場」
広々とした「屋外広場」

――みなさん、どのような目的で利用されているのでしょうか?

保護者の方はお子さんを楽しませるだけでなく、友達作りのきっかけや子育ての気分転換、子育て相談を目的に来館される方もいます。ホームセンターなどの買い物スポットが近くにあることから、買い物と合わせて来館する方もいらっしゃいます。お父さん、おじいちゃんやおばあちゃんと来館されるお子さんもいらっしゃいますよ。
小学生は平日の放課後に来館することが多いようです。友達と楽しく遊んだり、本を読んだり、中高生は仲間と卓球をしている姿をよく見ます。中には、スタッフとおしゃべりに来る子もいて、心の拠り所にもしてくれています。ここに来れば誰かに会えますし、スタッフが見守っているという安心できる場所になっています。

児童館内にはスタッフ手作りの可愛い飾りつけがある
児童館内にはスタッフ手作りの可愛い飾りつけがある

乳幼児向けのプログラムや行事で、季節を感じながら仲間と一緒に活動が可能

――子どもの年齢に応じて様々なプログラムを実施しているようですが、それぞれ、どのような内容で行っているのでしょうか。

乳幼児を対象にしたプログラムには月1回開催している「つどいの広場」があります。予約無しで参加していただくことができ、遊戯室にいろいろなおもちゃを出しての自由遊びや保育園園長による子育て相談をしています。自由遊び中心ですが、活動時間中に手遊びや絵本の読み聞かせ、紙芝居も行います。時間を決めることで来館していただくきっかけにもなりますし、友達づくりにもつなげていただけます。

「お正月会」の様子
「お正月会」の様子
1歳半~3歳の幼児とその保護者が参加するプログラム「遊び場・スキップ」は親子のふれあいを目的にしており、スタッフはいろいろな遊びを提供しています。2歳前後のグループと幼稚園入園前のグループの2グループあり、年齢が近い子同士で活動をしています。申し込み制で半年間、同じメンバーで活動をするので、お互い顔見知りになり、保護者の方同士でつながることもできます。一緒におやつを食べて季節の歌を歌ったり、手遊びをしたり、活動日によって体操、絵本の読み聞かせ、工作、自由遊びなど、盛りだくさんの内容になっています。保育園園長、子育て支援センタースタッフが参加するので、子育て相談をしていただけます。活動時間は10時から11時30分とたっぷりあり、終了後は保護者の方たちが自由におしゃべりをして楽しんでいます。

――行事も行われているのでしょうか?

必ず月に1回は行事を行っています。子どもたち主体で、季節に応じた内容や工作、遊びなどを行っています。例えば、父の日や母の日、敬老の日のプレゼントづくり、「おもしろ運動会」、「カプラであそぼう」などがあります。お正月会ではカルタ大会や福笑いで楽しむほか、お餅ピザを作って食べています。小学生の新入生歓迎会としてドッジボール大会を行い、厚生員手作りのホットドッグを大勢で食べることの楽しさを感じてもらえる行事も開催しています。

「おもしろ運動会」での一場面
「おもしろ運動会」での一場面

季節ごとに様々なイベントがある
季節ごとに様々なイベントがある

人気の行事は100人ほどが参加する「夏まつり」です。「母親クラブ」と「平洲コミュニティ」の共催で開催され、全館使って魚釣りや輪投げ、的当てなどのゲームを楽しみます。校区の学校の先生も参加され、地域の大きな行事となっています。

行事や普段の活動を盛り上げてくれる、「平洲児童館」を支えてくれる地域の方々

――中学生ボランティアも活躍しているそうですね。

さまざまな行事で活躍してくれますし、夏に行われる「スイカ割り大会」には10人ほどの中学生ボランティアが来て、企画・運営までしてくれています。スイカの種飛ばし競争など盛り上がる催し物も企画しますし、行事が終わった後にそのまま小学生と遊んでくれて、異年齢交流にもなっています。小学生の時に来館していた子がボランティアで参加してくれることもあり、当館に親しみをもってくれているのだと、嬉しく感じています。年末には大掃除にも積極的に参加してくれます。その姿に憧れて、小学生の高学年も夏まつりやおもしろ運動会のお手伝いをしてくれています。

「スイカ割り大会」
「スイカ割り大会」

――夏まつりを共催している「母親クラブ」とはどのようなクラブでしょうか?

「母親クラブ」は、子どもたちの健全な育成を願い、児童館を拠点にボランティアで活動する団体で、1980(昭和55)年に設立されました。主に小学生の保護者の方が活動しています。夏まつりだけでなく、クリスマス会には人形劇団を呼んで子どもたちに芸術文化にふれる機会を与えてくれるなど、児童館の活動を支えてくれる、心強い存在です。

乳幼児向けプログラム「遊び場・スキップ」の「クリスマス会」
乳幼児向けプログラム「遊び場・スキップ」の「クリスマス会」

――地域と連携して取り組んでいる活動があればぜひご紹介ください。

中学生ボランティアや「母親クラブ」の協力を得ていることもそうですし、他館では東海市の児童館等のボランティア活動をされているサークル「みずたまり」ともつながりがあります。
2020(令和2)年度は新型コロナウイルスの影響によって中止になってしまいましたが、地域の高齢者に協力をいただき、子どもたちと一緒に「おこしもの」という季節のお菓子作りを楽しむ予定でした。

「おこしものづくり」の様子
「おこしものづくり」の様子

お出かけスポットや買い物スポットも多く、子育てしやすい東海市

――東海市の子育て状況はいかがでしょうか。

「平洲児童館」周辺では、住宅が増え、若い世帯が増えている印象です。子どもの数も増えており、「平洲小学校」は1学年に4クラスあるそうです。乳幼児から高齢者まで幅広く、バランスよくさまざまな世代が住まわれています。
東海市には各校区に児童館が設置されているほか、「子育て総合支援センター」、「北部子育て支援センター」、「南部子育て支援センター」があり、子育てプログラムへの参加や子育て相談をすることができます。

――東海市の環境の魅力や親子におすすめのスポットを教えてください。

東海市には大小さまざまな公園があり、それぞれ目的によって利用できることが特徴です。平洲児童館近くの「大池公園」には、季節の植物を眺めながら池の周囲を歩くことができる散策道、小動物園や最近リニューアルされた遊具があります。また「聚楽園」に隣接した「東海市しあわせ村」には温浴施設があり、子どもから高齢者までの幅広い世代が温水プールを利用することができます。芝生が広がる「平地公園」ではゴーカートやおもしろ自転車の利用ができます。特色のある公園もあるので、気分を変えながらお出かけができるのではないでしょうか。今後、子育て世帯が増えることにより、東海市の子育て支援も充実していく予定です。

「平洲児童館」のスタッフ(厚生員)のみなさん
「平洲児童館」のスタッフ(厚生員)のみなさん

平洲児童館

所在地:愛知県東海市荒尾町畑田43-1
電話番号:052-601-4310
URL:http://www.city.tokai.aichi.jp/8626.htm
※この情報は2020(令和2)年8月時点のものです。