スペシャルインタビュー

八事エリアのように“変わらない魅力”で愛され続ける名店「レストラン シェ・コーベ」

文教地区の落ち着きと重厚な歴史が醸す雰囲気が魅力の八事エリア。そんな八事エリアの住宅街に佇む「レストラン シェ・コーベ(RESTAURANT Chez KOBE)」(以下「シェ・コーベ」)は、名古屋市内で2軒目にオープンしたフランス料理店として40年以上の歴史をもち、地域の方に親しまれているお店で、某世界的レストランガイドにも星付き店に選ばれています。今回は、「シェ・コーベ」のオーナー 須賀 祐介さんに同店の魅力や八事エリアの住環境についてお話を伺いました。

「レストラン シェ・コーベ」外観
「レストラン シェ・コーベ」外観

洋食からフレンチへ、親子三代が受け継いできた歴史ある料理店

――まずは「シェ・コーベ」さんの歴史を教えてください。

須賀さん: 日本郵船の料理長を勤めていた私の祖父、須賀哲夫が80年前に「神戸屋」という屋号で、名古屋市堀田に洋食店を開いたのが始まりです。私の父、須賀邦一郎は高校卒業後、その洋食店を手伝いながら1978年(昭和53年)に、一軒家のフランス料理店を八事にオープンさせたいとの思いで、名古屋で2軒目となるフランス料理店を開きました。

「シェ・コーベ」オーナー 須賀 祐介さん
「シェ・コーベ」オーナー 須賀 祐介さん

――三代にわたって料理店を営まれているのですね。

須賀さん: 堀田の「神戸屋」は閉店しましたが、こちらの「シェ・コーベ」は変わらず経営を続けています。僕は長男で「シェ・コーベ」のオーナーを務めていますが、三男の須賀洋介は料理の神様と呼ばれるジョエル・ロブション氏のもとで17年間お世話になり、料理の鉄人のアイアンシェフも務めたフレンチ料理人です。彼は現在、自分の店「SUGALABO」をもち、なかなか予約がとれないお店になっているそうです。世界最高とされるレストラン1,000店が紹介される「ラ・リスト (La Liste)」にも選ばれたお店です。

一方、私たちの「シェ・コーベ」はフランス料理店の他に、菓子店の「パテスリー シェ・コーベ」を39年、大丸松坂屋名古屋店でカフェを併設した「パテスリー シェ・コーベ 栄店」を35年というように、名古屋市内で3店の経営をしています。

普遍的な料理、空間を提供して居心地の良さを感じてもらう

――料理の特徴や大切にされていることを教えてください。

須賀さん: メインに地元食材を使い、フランスにしかない食材や全国各地の名産品をプラスした伝統的なフランス料理を提供しています。三河地方には、野菜や三河牛など、おいしい山の幸、海の幸がそろっています。フュージョンではなく、奇をてらわず、かといってクラシックにこだわり過ぎないフランス料理です。名古屋に根付いた経営をしているので、おいしくて長く愛される料理を提供したいと考えています。

この考えは小林誠シェフも同じです。私たちのコンビは22年に及びますが、考え方は変わりません。今の空気感は少しずつ取り入れつつも、骨格としての料理は「フランス料理を真剣においしく食べてもらう」正統派のフランス料理です。

地元の新鮮食材などを使ったこだわりの逸品
地元の新鮮食材などを使ったこだわりの逸品

――建物も素敵ですね。

須賀さん: 八事エリアの良いところでもありますが、窓から見える景色が素敵です。日本家屋や緑が見えて食事をするお客様も同じだと思いますが、ここで働いていて、とても心地よく過ごすことができます。店舗の建物は44年前のオープン時に建てられたままで、22年前に改装をした部分もあります。建物自体は古くなりますが、きちんと掃除をすれば、年を追うごとに古さが味になります。その味さえも心地よさが感じられたらと、毎日のお手入れは欠かせません。

素敵な景色を見ながら食事を楽しめる
素敵な景色を見ながら食事を楽しめる

時代に流されず昔から変わらない安心感に、親しみをもつお客様が多数

――お客様には常連さんが多いのでしょうか。

須賀さん: 創業当時からお見えになる方の中には、三代にわたって来てくださる方もいます。最近は四代目にお子さんと一緒に来られる方もいらっしゃいます。また、ご実家が八事にあり、今は東京で仕事をされているという方も、名古屋に来られた時は立ち寄ってくださったり、そのご両親は定期的に来店してくださっていたり。本日も予約のお客様の半分は、20回、60回、80回と何度も来店してくださっている方です。もちろん、初めてのお客様の予約もあり、年齢、来店回数問わず、幅広く親しんでいただいています。

長く愛される質の高い料理と温かいサービス
長く愛される質の高い料理と温かいサービス

――常連さんに愛される理由について、何か思うところはありますか。

須賀さん: すでに「シェ・コーベ」のイメージを持ってくださっているお客様が多い気がします。結婚記念日やお誕生日などのお祝い事など、大切な日に利用してくださっています。「コロナ禍だけど、ここなら大丈夫」という理由のお客様もいらっしゃいます。実際、ホールが広いのでディスタンスが取りやすく、普段から衛生面にも気を配っているので、安心感をもって来てくださるのかもしれません。

「レストラン シェ・コーベ」内観
「レストラン シェ・コーベ」内観

――働くうえで、大切にされていることはありますか。

須賀さん: スタッフと毎日、朝礼を30分行い、理念や哲学の共有をしています。私は京セラの名誉会長、稲盛和夫さんの経営哲学に感銘し、盛和塾にも参加しました。そこでは、会社経営の究極の目的は「全従業員の物心両面の幸福の追求」ということを言われていました。朝礼では、「なぜ働くのか、なぜ人に優しくしなければいけないのか、人の幸せのためにはどうしたら良いのか」このような考えに感度をあげていくことをスタッフに伝えています。

おかげさまで、スタッフも10年、25年と長く働き続けてくれています。1、2年目のスタッフも含め、メンバー全員が理念を共有しながら働くことで、お客様には変わらない安心感を持っていただけるのかな、と思います。それはスタッフも同じように感じてくれていて、一本軸ができているからではないでしょうか。働くうえで、生活するうえでプレミティブ(原始的)な考えを大切にしています。

スタッフが同じマインドで働くことで、お客様の安心感につながる
スタッフが同じマインドで働くことで、お客様の安心感につながる

八事の普遍的な雰囲気が、落ち着きのある住環境をつくる

――八事エリアの魅力を教えてください。

須賀さん: 昔から実業家、財界人のお住まいがある閑静な住宅街です。「街の住みここちランキング2022」(※)では、全国6位が名古屋市昭和区という結果で、名古屋市内では最も住み心地がよいエリアになります。
(※大東建託株式会社 賃貸未来研究所 調査)

実際、静かで落ち着いていて治安もよく、文教地区でもあり住宅地でもある、昔からまじめに経営されているお店や企業が多い印象です。私たちと同じように「昔から変わらずにあるよね」というお店が多く、地域の方に育ててもらっているような感覚があります。

――八事エリアの雰囲気は「シェ・コーベ」さんと通じるところがありますね。

須賀さん: 現代は刺激的なものが受けており、情報も溢れています。しかし、それだけではなく、私たちは普遍的であることが大切だと考えています。八事の魅力は「シェ・コーベ」の理念とシンクロするところがあり、住み心地が良いと感じられるのは、街並み、住環境、人の繋がりなど、昔から大切にされてきたものがあるからだと思います。

八事エリアの街並みに溶け込む、「シェ・コーベ」外観
八事エリアの街並みに溶け込む、「シェ・コーベ」外観

――最後に、これから新しく八事エリアに住まわれる方へメッセージをお願いします。

須賀さん: 安心して心地よく暮らせる街です。普遍的であること、昔から変わらないものを大切することを素敵だと感じている方達が街をつくり、守っています。規制により、ゆったりと住宅が建っていますし、緑も一定以上確保されているので、住空間に余裕があります。

僕も長年、八事に住んでいますが、本当に住みやすい。旅行に出かけても早く帰りたいと思うほどです。静かで品格があって、穏やかでゆとりがあるエリア。おそらく、八事に住まわれている方にインタビューしても、みなさん同じように答えられると思います。かといって、排他的ではなく、新しいもの、新しい方も受け入れてくれる雰囲気があります。住んでいただければ、八事エリアの良さを実感できると思います。

「シェ・コーベ(Chez KOBE)」オーナー 須賀 祐介さん
「シェ・コーベ(Chez KOBE)」オーナー 須賀 祐介さん

レストラン シェ・コーベ(RESTAURANT Chez KOBE)
オーナー 須賀 祐介さん

所在地 :名古屋市昭和区広路町梅園24
電話番号:052-832-7584
URL:http://www.chezkobe.co.jp
※この情報は2022(令和4)年8月時点のものです。