交通の要所「金山」駅を中心に、肩肘張らず快適に暮らせる金山エリア

名古屋駅や中部国際空港(セントレア)、三河地方など、各地へのアクセスがしやすい「金山」駅の周辺では近年、開発・整備が行われ、人々が多く行き交うにぎわいをみせています。駅から少し離れれば、生活に便利な住宅地があり、暮らしやすいバランスのとれたエリアとなっています。今後、さらなるにぎわいと快適なまちづくりを進めるための開発が予定されているとのこと。金山エリアの現在、過去、未来について、金山エリアの多くの開発を手がけてきた「公益財団法人 名古屋まちづくり公社」総務部 経営企画室 印田さんにお話をお聞きしました。

「公益財団法人 名古屋まちづくり公社」の印田(いんでん)さん
「公益財団法人 名古屋まちづくり公社」の印田(いんでん)さん

名古屋のまちづくりに携わってきた「公益財団法人 名古屋まちづくり公社」

――まずは「公益財団法人 名古屋まちづくり公社」の事業内容について教えてください。

印田さん:快適で活力ある名古屋のまちづくりを推進するために、公益事業として、主に次の4事業に取り組んでいます。一つは地域特性をいかした都市機能と生活環境向上をすすめる事業、二つ目は名古屋都市センターとしてまちづくりに関する調査・研究や人とまちづくりを結びつける事業、三つ目は土地区画整理をしながらまちづくりを推進していく事業、四つ目は歴史的建造物の保存活用する事業を行なっています。

具体的には、これまでに金山南エリアの開発、栄公園(オアシス21)や名古屋市の大規模プロジェクトへの参画をしてきました。現在、金山エリアでは、地域主体のまちづくりを支援し、まちの価値をいかしていく活動をしています。

アスナル金山」を中心にした、にぎわいのまち金山エリア

金山エリアのまちづくり計画イメージ(「金山駅周辺まちづくり構想」より転載)
金山エリアのまちづくり計画イメージ(「金山駅周辺まちづくり構想」より転載)

――事業の中でも長年、金山エリアに携わっているかと思いますが、金山エリアの印象を教えてください。

印田さん:やはり「圧倒的な便利さ」があげられますね。「金山」駅は「金山総合」駅として、JR、名鉄、地下鉄の3路線が乗り入れる交通の要所です。現在、「金山総合」駅の1日の利用者は48万人という、名古屋駅に次ぐ一大ターミナル駅となっています。中部国際空港(セントレア)への玄関口でもあり、西三河への玄関口ともなっています。各路線への乗り換えが簡単にできる利便性も高い駅です。

2005(平成17)年、「金山」駅北口に商業施設「アスナル金山」がオープンすると、駅周辺へと人の流れができました。学校や会社帰りにふらっと立ち寄ることができる、「肩肘張らず、気軽に、日常的に利用できるまち」という印象も強くなってきました。

―― 今のような「金山」駅周辺のにぎわいをつくるために、どのような開発を行なってきたのでしょうか。

印田さん:かつての金山エリアは「金山」駅の便利さゆえ、駅の外へ人が出ない、周辺地区へ人が流れない、という課題がありました。その課題解決のため、1990(平成2)年に「金山駅前地区整備構想」が名古屋市で策定され、駅前南エリアと駅前北エリアの開発・整備が始まりました。私たちは1999(平成11)年、駅の南エリアにホテル機能をもたせた「金山南ビル」を完成させ、その後、駅の北エリアの段階的な開発を進めているなかで、「アスナル金山」を整備しました。

開発前の「金山」駅北口の上空写真
開発前の「金山」駅北口の上空写真

「アスナル金山」オープン後の「金山」駅北口の様子
「アスナル金山」オープン後の「金山」駅北口の様子

―― 「アスナル金山」はエリアのランドマーク的な存在ですが、開業から現在までどのような取り組みをされてきましたか。

印田さん:「金山駅前地区整備構想」では、駅の北エリアの空間は人々が集う交流の場として整備することになりました。そこで、本格的な開発の前に、地域のポテンシャルを高めるための施設として「アスナル金山」をオープンしました。

しかし、当時金山はショッピングや食事を楽しむエリアというイメージが全くありませんでした。そのため、まずはアスナルならではの特徴として、元気で楽しいというイメージを持ってもらえるように方針を定めました。具体的には、商業施設でありながら、自然を感じられる屋外広場・ステージを配置して、年間600回イベント開催する事を目標に、エンターテインメントに力を注いできました。

その1つとして、ステージでは「アスナルらいぶ」など、帰り道のお客様に音楽を感じていただくイベントをとにかく毎日開催していましたね。私たちと演者が一体となった手作りイベントを開催してきたことで、今ではアスナル金山のことを“音楽の聖地”、アーティストの皆さんから「アスナル金山のステージに立ちたい!」と言っていただけるまでになれました。

過去の「アスナル金山」でのイベント開催時の様子
過去の「アスナル金山」でのイベント開催時の様子

ちなみに、アスナル金山の名称は「“明日”にむかって元気に“なる”」、みなさんに「アスナルで元気になってもらいたい」という想いを込めたもので、私たちも日々その想いで取り組んできました。

おかげさまで、有名アーティストもステージに登場してくださったり、多様なイベントが開催されるようになった事で、アスナル金山でのイベントは、全国的にも量・質ともトップレベルであると自負できるようになりました。駅利用者だけでなく、若者も集まる、にぎわいを生み出す場所になってきたなと感じています。

くつろぎたくなる居心地の良い空間を作り、「歩いて楽しいまち」へ

――駅周辺の開発が続けられ、金山エリアの周辺環境はどのように発展していくと思われますか。

印田さん:名古屋市が平成29年に策定した「金山駅周辺まちづくり構想」では、開発の基本方針として「にぎわいとうるおいの継承・発展」「文化芸術や創造等拠点の集客性向上」「地域防災力の強化」「交通結節点の機能強化」を4本柱にしています。気軽に利用できるという金山エリアの居心地の良さはそのままに、今後もさらなる快適な環境が整えられていく予定です。

リニア中央新幹線の開業に伴い、名古屋・金山エリアは更なる発展が見込まれる
リニア中央新幹線の開業に伴い、名古屋・金山エリアは更なる発展が見込まれる

2027年にリニア中央新幹線が開業すると、東京から名古屋まで最速40分で移動できると言われています。愛知県外の方にも名古屋、金山エリアに来ていただけることから、名古屋全体にも金山にも新しいビルや商業施設も増えていくことが予測できます。

そうした環境の変化の中でも、まちの成熟に合わせた商業機能等の再編や、市民会館の機能更新とともにオープンスペースを多く配置するなど新たな拠点づくりに加え、交通の要所としての機能強化など快適性と利便性をさらに向上させたまちになっていくのではないでしょうか。金山エリア全体で回遊性のあるまちづくりが考えられています。

私たちはこれまで、金山エリアの開発を先導的に進めてきたという自負があります。これからも地域のニーズをとらえて、まちの機能を強化できるよう貢献していきます。

利便性と心地よさのバランスがとれた暮らしやすい金山エリア

まちづくりへの想いを熱く語っていただいた
まちづくりへの想いを熱く語っていただいた

――これから金山エリアで暮らし始める方に、エリアの魅力やおすすめのポイントをお聞かせください。

印田さん:便利さと居心地の良さが共存するまちです。交通の要所となる「金山」駅周辺は商業施設があり、イベントが行われるにぎやかな場所ですが、駅から少し歩けば閑静な住宅地があります。

また、名古屋城と熱田神宮を結ぶ歴史のあるまちでもあり、音楽コンサートが多数開催される「日本特殊陶業市民会館」、名古屋フィルハーモニー交響楽団が拠点を構える「名古屋市音楽プラザ」、「アスナル金山」では音楽ステージが繰り広げられているという、音楽文化が根付いているまちでもあります。

歴史や文化を感じ、安らぎのある暮らしをしながら便利さも得られる、バランスの良いエリアです。ぜひ、金山のまちを楽しんでください。

一日を通して、にぎわいを提供してくれる「アスナル金山」
一日を通して、にぎわいを提供してくれる「アスナル金山」

公益財団法人 名古屋まちづくり公社

総務部 経営企画室 印田達也さん
所在地:名古屋市中区丸の内2-1-36 NUP・フジサワ丸の内ビル
※この情報は2021(令和3)年4月時点のものです。