“不便が見当たらない安城朝日町”で見つけた、職人の技とアートが交わるギャラリーダブルエイト

2021(令和3)年にオープンし、ワークショップやスタジオなどとして幅広い使い方ができるレンタルギャラリー「GALLERY DOUBLE EIGHT」。左官職人が手がけたアートな内装に包まれた空間が特徴的です。個性的なギャラリーがどのように生まれたのか、実際にどのような空間が作られているのか。また、このエリアで暮らす魅力について、お話しを伺いました。

「GALLERY DOUBLE EIGHT」の入り口
「GALLERY DOUBLE EIGHT」の入り口

左官、溶接工など、建築技術にもふれられるギャラリー

――まずは「GALLERY DOUBLE EIGHT」の概要や歴史について教えてください。

齋藤さん 有限会社トライズが運営するレンタルギャラリーです。ギャラリーとしてだけでなく、ワークショップやパーティーなどにも利用していただける空間になっています。「安城」駅前でアクセスが良いので立ち寄りやすく、1日単位で貸し出しをしているので、地元の方にも気軽に利用していただいています。

もともと弊社は安城市にあったのですが、自社ビルを建てる際に縁あって朝日町に移転しました。有限会社トライズは内装や外装を手がけるいわゆる左官屋で、海外の塗料も含めた複数の塗壁材メーカー品など、最新の品も取り入れた特殊塗装、左官を施工しています。

まちなかで建築系職人の技にも出会える
まちなかで建築系職人の技にも出会える

そのため、このビルの内装と外装を当社の左官職人が手掛けていて、ショールーム的な存在にもなっています。ギャラリーを1階に併設したのは、弊社代表がアートに造詣があったことと、ギャラリーをきっかけに左官や建築の世界にふれていただければとの思いがあったからです。

――どのような個展や展覧会が開催されることが多いのでしょうか。

齋藤さん 有限会社トライズが所属する建築職人チーム「TEAM w8w」のメンバーの個展や、地元にお住まいの方の個展などがあります。2024年1月(取材時)は「TEAM w8w」に所属しているメンバーによる常設展「建築職人達による アート展」を開催しています。

「建築職人達による アート展」の作品イメージ
「建築職人達による アート展」の作品イメージ

「建築職人達による アート展」では、職人さんが自身の技術をいかして制作したアート作品を展示しているので、作品から職人さんの腕を感じとっていただけると嬉しいですね。例えば、土を用いたアートパネル「時計箱」は左官の技術で仕上げた和モダンテイストのアートです。

人造石を研ぎ出し仕上げした「ビールストーン」で作られたサッカーボールのオブジェや、神社仏閣の建築に携わる宮大工さんによるテーブル「大仏さんの肘掛」、「養生番長」という塗装工事の養生に使われるマスキングテープで描かれたボブマーリーのアートパネルなど、さまざまな技術・アートを見ることができます。

「建築職人達による アート展」の作品イメージ
「建築職人達による アート展」の作品イメージ

「建築職人達による アート展」の作品イメージ
「建築職人達による アート展」の作品イメージ

――建築技術をもとにして作られている作品なのですね。

齋藤さん 全て一点もので、お部屋に飾っていただくなど、インテリアにも映える作品ばかりです。購入可能ですので、私はお嫁に行ってもらいたい気持ちで作品を説明しています。作品が作られる過程を知ると、建築に関する技術を知ってもらうことができるはずです。

作品を制作した職人さんの紹介もしていますので、ぜひ注目してみてください。「建築職人達による アート展」は今後も開催する予定ですので、ぜひお越しいただけたらと思います。

設備も充実、個性的でありながら作品をよりよく見せるギャラリー空間

――ギャラリーの特徴や設備について教えてください。また、ギャラリーを利用された方からの感想を教えてください。

齋藤さん ギャラリー内の壁は一見、真っ白に見えますが、モアレと言う塗料を使ったコテ仕上げの塗り壁のため、窓から外光が当たると陰影が出て模様が浮き出ます。少し光って見える特徴もあります。

床も左官職人が手掛けており、ほかにはないギャラリー空間になっています。先日は韓国民画のグループ展に利用していただきました。左官技術をいかした壁や床のため「内装自体がおしゃれで、作品が生えてとても良い」と気に入ってくださいました。

ギャラリーの壁
ギャラリーの壁

ギャラリーの床
ギャラリーの床

――どのような方にギャラリーを利用していただきたいと思われますか。

齋藤さん 地元の方の発表の場にしてもらうなど、気軽にどなたでもたくさんの人に利用していただきたいと思います。私たちのギャラリーは火気厳禁だけ守っていただければ、さまざまな使い方をしていただけます。写真スタジオ、ポップアップショップ、パーティーなども可能です。

ピクチャーレールがあるので、自由に複数の作品が展示できますし、正面のガラス窓が可動式になっているため、大型品の搬入も可能です。ワークショップで手を洗っていただけるように、シンクも用意しています。シンクも素敵で、タイル仕上げのシンクとタイルの色味に合わせた収納棚があります。

タイル仕上げのシンク
タイル仕上げのシンク

“不便が見当たらないまち”安城朝日町エリア

――ギャラリーのある安城朝日町の魅力についてお聞かせください。

齋藤さん 歩いて行ける距離にあらゆる施設が揃っているところが魅力的です。JR「安城」駅と名鉄「南安城」駅、スーパーマーケットに図書館、郵便局や銀行も何軒もあります。本通り商店街には、カフェやケーキ店、和菓子店、「安城」駅前にも飲食店がそろっていますね。

当ギャラリーの近くには3軒も惣菜店があり、お昼時間になると行列ができています。私もお昼ご飯で買いに行くことがありますが、気分によってお店を使い分けられるのも嬉しいですね。病院も薬局もあって、生活に必要なお店と施設がコンパクトにまとまっています。

安城朝日町には、お洒落なお店も親しみやすいお店も多彩にそろう
安城朝日町には、お洒落なお店も親しみやすいお店も多彩にそろう

明治用水東井筋沿いは春に桜が咲くので自然も楽しめますし、坂がなくて平坦な道ばかりで歩きやすく、車も多く走っていますがにぎやかし過ぎず、落ち着いた雰囲気があります。

ギャラリーで開催される展覧会のチラシをご近所さんにポスティングして回ることもあるのですが、いろいろ発見があり、歩いて楽しいまちだと思います。

――これから安城朝日町エリアに住まわれる方に、メッセージをお願いします。

齋藤さん 安城朝日町は“不便が見当たらないまち”だと思います。「安城」駅には特別快速、新快速、快速が止まるので、「名古屋」駅まで最短25分で行くことができます。車がなくても生活ができますし、車があれば近隣のショッピングモールにもより行きやすくなりますね。

特別快速や新快速、快速も止まる「安城」駅
特別快速や新快速、快速も止まる「安城」駅

「安城」駅前では「安城まちなかホコ天きーぼー市」が頻繁に開催されていますし、8月には「安城七夕まつり」も開かれて、休みの日も楽しく過ごしていただけると思います。「安城」駅周辺の再開発も着々と進んでいるそうなので、ますます暮らしやすいまちになっていくのではないでしょうか。

「GALLERY DOUBLE EIGHT」
「GALLERY DOUBLE EIGHT」

GALLERY DOUBLE EIGHT

有限会社トライズ 広報 齋藤 美千江さん
所在地:愛知県安城市朝日町14-12
電話番号:0566-73-6520
URL:https://double-eight.info/
※この情報は2024(令和6)年1月時点のものです。